ピレネー山脈のモン・ペルデュ
ピレネー山脈は、フランスとスペイン国境に広がる壮大な山脈です。
その中の3番目に高い山、モン・ペルデュはフランス・スペインの両国で世界複合遺産に登録されました。
フランス・スペイン両国の世界遺産登録地域は合計30,000ha以上になりますが、そのうちスペイン側の面積は20,134haと全体の約2/3を占めます。
スペイン側は、アラゴン州にあるオルデザ・イ・モンテ・ペルディ国立公園部分、それに付随し、ピエルサ、ファンロ、プエルトラスなどの地域、数か所の渓谷などが世界遺産地域を形成しています。
ピレネー山脈は、古生代にバリスカン造山運動により形成された山塊が元になり、新生代のアルプス造山運動により山脈の形が形成されました。
モン・ペルデュはその中で石灰質の山を築いており、石灰質の山としてはヨーロッパ最大規模、標高3,352mを誇ります。
この山にある自然美は人々を感動させ、特にカヴァルニー圏谷の風景は、フランスの文豪、ヴィクトル・ユーゴーが「奇跡」と絶賛したほどの美しさを持ちます。
モン・ペルデュは種々の自然美を見せてくれるだけでなく、山岳地帯では、古くからの集落が残り、遊牧風景が見られます。
これら人々が築いてきた文化的な側面もまた、のどかで美しいものです。
夏期は自然美を存分に堪能し、冬期はスキー客などで賑わうモン・ペルデュでは、一年を通じて素晴らしい景色が楽しめそうです。
(世界遺産登録:1997年、拡大:1999年)
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