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カセレス旧市街(世界遺産登録:1986年)

カセレス旧市街は、ポルトガルと国境を接したエストレマドゥーラ地方の主要都市・カセレスにあります。

この地はローマ軍が基礎を築き、後にレコンキスタの英雄を多く輩出しました。

元々、カセレスは放牧地帯で、住民はスペインで最も貧乏な暮らしをしていました。

しかし、レコンキスタで多くの英雄が生まれ、彼らがカセレスを変えていきます。

レコンキスタ後から大航海時代、カセレスはポルトガルとスペイン、スペイン南北をつなぐ交通の要所として、交易で栄えるようになりました。

そして、アメリカ新大陸が発見されると、コンキスタドール(レコンキスタの戦士たち)が宝や黄金を求めて渡米し、彼らがアメリカ大陸の鉱脈を切り開いたことで、カセレスにも富がもたらされるようになりました。

コンキスタドールたちは、故郷が豊かになるとアメリカから凱旋帰国をし、現在旧市街地とされている地域に富の象徴として豪華な邸宅を次々に建設しました。

コンキスタドールたちのアメリカ開拓により、16世紀には銀の輸入量が増え、カセレスは「銀の道」と言われるようになりました。

貧困地域から商業都市として見事に成長したカセレスには、その軌跡が見られる多くの建築物が残っています。

コンキスタドールたちの豪華な邸宅は、その殆どが外からしか見られませんが、一部中が公開されていて中世カセレスの姿を感じさせる非常に興味深いところになっています。

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