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クエンカの歴史的城壁都市(世界遺産登録:1996年)

カスティリャ=ラ・マンチャ州を走るウェカル川とフカル側の間に、クエンカという町があります。

ここはかつての城壁都市で、市内の狭い敷地に建築物、家々が連なっている景観が非常に独特です。

クエンカの町は、9世紀頃イスラム教徒が築きました。

しかし、1177年にはレコンキスタによってアルフォンソ8世が奪還に成功し、それ以降、織物工業と交易で町は最盛期を迎え、カスティリャ王国の中心的都市になりました。

また、イスラム教徒の跡地にキリスト教建築を次々に建て、クエンカはやがて宗教上でも重要な都市になっていきました。

町が築かれたのは崖の上なので、防御力は完璧で、レコンキスタ以降は都市として安定していました。

しかし近世になると、建築物の劣化が激しくなり、徐々に荒廃していきます。

中世の街並みは現在に至るまで残っています。

クエンカが築かれたのは、標高900mの石灰岩の岩山です。

そこに、家々が連なっている姿がまるで宙に浮いているように見えるので、「魔法にかけられた町」と言われています。

その光景は何とも不思議で、独特な景観を形成しています。

クエンカの最も象徴的な建物は、「宙吊りの家」と呼ばれる建物です。

この建物は、窓を開けるとまさに崖っぷちで、危険な印象すらあります。

現在は美術館になっており、観光客が訪れる人気スポットになっています。

クエンカの町を体感したい人にまずお勧めする場所です。

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