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アタプエルカの考古遺跡(世界遺産登録:2000年)

カスティリャ・イ・レオン州ブルゴスの東15kmにあるアタプエルカは、カルスト地形を形成するところです。

ここで、19世紀後半、鉄道建設工事中に偶然発見された遺跡があり、後に世界遺産に登録されています。

カルスト地形とは、石灰岩などの水に溶けやすい成分でできた岩石が雨水や地下水により浸食され、形成された大地のことです。

その地形が持つ独特の美しさは世界各地で見ることができ、クロアチアのプリトヴィチェ公園やアメリカのイエローストーン公園などのカルストは、世界遺産に登録されています。

アタプエルカで発見された遺跡では、現在までに洞窟が40余り、化石約2,500個からなる33体の人骨、古代人の生活痕などです。

それらの化石の中には、ヨーロッパ最古の人間といわれるホモ・アンテセソールの人骨も含まれており、およそ80万年前のものといわれています。

更に、120万年前の人骨も発見されており、現在具体的な調査が進んでいます。

これらの遺跡は、人類の進化の歴史をひも解く貴重な資料になり、1978年に始まった本格的な発掘作業は現在も続けられています。

現在作業が行われているのは大きく4箇所で、期間を限定して発掘作業をし、残りの期間でその解析作業が行われています。

スペインには歴史のある美しい建物が数多くありますが、アタプエルカの遺跡は、スペインを考古学の見地から見られる非常に興味深いところです。

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