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サラマンカの旧市街(世界遺産登録:1988年)

サマランカは、中世にはイタリアのボローニャ、イギリスのオックスフォードと並ぶ大学都市として知られたところで、スペインで最も広いカスティリャ・イ・レオン州の西部にあります。

この町が学問の町になったのは、1243年にサマランカ大学が創設されたことがきっかけです。

スペインでは初めての大学になったサマランカ大学は、創設の翌年には既に学生数14,000人を数える規模になり、急速に発展しました。

そして、14世紀には西欧の学問の中心地になったのです。

大航海時代には天文学の研究が盛んに行われ、ポーランドのコペルニクスが地動説を唱えて教会から猛烈な非難を浴びた際には、研究に基づく根拠のもと、いち早く彼の説を支持しました。

サマランカは、中世後期から近代にかけて、華やかな装飾が施された建築様式でも有名になりました。

サマランカで独自の建築様式を確立したのは、チュリゲラ一族です。

この一族は、祖父が建築家、父が彫刻家、4人の息子がみな建築家という芸術界の名門で、特に長男ホセ・ベニート・チュリゲラが考案した、過剰なまでに濃密で派手な造形美を持つ建築様式は、後に「チュリゲラ様式」として定着しました。

サマランカではチュリゲラ様式の建築物を数多く見ることができ、そのきらびやかな世界に誰もが圧倒されることでしょう。

サマランカの大学は現在も機能していて、大学都市としての地位を維持しています。

サラマンカの旧市街 -2-

サマランカは、旧市街地全域が世界遺産に登録されている歴史ある町です。

その街並みは主に酸化鉄を含んだ石造りで、過剰な装飾が特徴です。

サマランカは学問と共に発展した町ですから、サマランカ大学はやはり観光客にとっても注目の場所です。

大学の校舎は、市内に点在していますが、中でもプラテレスコ様式の美しいファザードを持つ正門は必見です。

サマランカには、「旧大聖堂」「新大聖堂」の2箇所の大聖堂があり、旧大聖堂はロマネスク様式、新大聖堂はゴシック様式が基本の造りになっています。

旧大聖堂は、1194年に着工し、150年の歳月を経て完成。

ため息の出るような優雅で美しい回廊は特に有名で、屋根のウロコ模様がとてもユニークです。

新大聖堂は、1513年に着工し、約60年かけて造られましたが、その後、数世紀かけて増改築が繰り返されました。

その結果、旧大聖堂の倍を規模になり、現在に至ります。

新旧大聖堂は互いに隣接しており、それぞれの様式を直接見比べることが可能です。

サマランカには人々を引きつけるスポットが数多くありますが、特にチュリゲラ様式のマヨール広場は「南欧で最も美しい広場」と言われ、非常に知名度の高い場所です。

サマランカには、ゴシック、バロック、チュリゲラ様式のほかにも、イスラム様式、ムデハル様式などの建物が混在しており、それぞれがサマランカの魅力を引き立てています。

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