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カサ・ビセンス

カサ・ビセンスは、ガウディが手掛けた初めての個人邸宅です。

タイル工場で財を成したマヌエル・ビセンスによって依頼され、ビセンスの夏の邸宅として建築されました。

ガウディが建築学校を卒業して5年、待望の邸宅の建築依頼であったことから、彼は全エネルギーをカサ・ビセンスに注ぎ込みました。

彼が幸運だったのは、依頼主がタイルやレンガを扱う業者だったことです。

そのため、タイルとレンガを無限に使うことができ、これらの資材がカサ・ビセンスのメインになりました。

この邸宅で採用されたのは、ムデハル様式です。

これはガウディが学生時代から興味を持って勉強してきた様式で、イスラム建築のエキゾチックで幾何学的な要素が西洋建築と融合しているものです。

タイルは全てガウディ・オリジナルのデザインで、カーネーションや紅黄草などの美しい花をモチーフにしました。

自然界の様子をふんだんに取り入れた邸宅の門にはシュロの葉を象ったデザインを採用し、内装にも小鳥や草木のモチーフが散りばめられています。

外観は緑と白のタイルを規則的に配置し、赤レンガの骨格と色調が整えられています。

後にアーチ型の天井や直線のない建物などを造っていったガウディですが、初期の作品は非常に緻密に計算された直線が主体です。

この建物は個人邸宅のために中の見学はできませんが、外観の素晴らしい色彩だけでも見る価値があると思います。

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