メリダの考古遺産群(世界遺産登録:1993年)
エストレマドゥーラ州の州都メリダは、かつて「小ローマ」と呼ばれていて、スペインでも最も重要とされる古代ローマの遺跡が数多く残っていることで知られています。
それらの数々は、1993年に世界遺産に登録され、現在に至るまで大切に保存されています。
メリダが古代ローマの都市になったのは、紀元前25年のことです。
ローマ皇帝アウグストゥスが現メリダに侵攻し、ローマ属州ルシタニアの中心都市として「エメリタ・アウグスタ」の町を形成しました。
この当時の都市名が、現都市名「メリダ」の起源になったといわれています。
アウグストゥスはエメリタ・アウグスタをキリスト教伝搬の都市にして、それによって町は繁栄期を迎えました。
しかし、5~6世紀には西ゴート族が侵攻、更に8世紀初頭にはイスラム勢力が侵攻してきたため、町は徐々に衰退していきます。
1230年にはアルフォンソ9世により、キリスト教徒たちが町を奪還しましたが、その後スペインの中心都市に発展することはありませんでした。
しかしそのこともあってか、数多くのローマ遺跡が当時のまま保存され、現在にまでその輝かしい時代の光景を伝承しているのです。
「メリダの考古遺跡群」は、円形闘技場、ローマ劇場、水道橋など、実に29箇所もの遺跡から構成されています。
それらが構成する光景は壮大な規模を誇り、訪れる人々観光客を古代世界へと誘っています。
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