カサ・ミラ
カサ・ミラは、ガウディが手掛けた民間住宅最後の建築物で、ガウディ円熟期の最高傑作ともいわれています。
実業家ペレ・ミラ夫妻の依頼により建築しました。
この建物は、ミラ家の住宅兼高級マンションで、現在でも居住する人たちがいます。
この建物の最も大きな特徴は、直線でできたところが全くないことです。
それは、ガウディが「自然界に直線は存在しない」という自らの哲学を反映させたもので、常に自然との調和を考えてきた彼は、外観から既にその哲学を取り入れていました。
外壁は簡素な色彩ですが、地中海のうねりを表現した非常に独特なもので、インパクトがあります。
鉄製のバルコニーは海藻のような印象で、屋上には古代ローマの戦士たちが兜をかぶったようなオブジェが幾つもあります。
これだけユニークだと、高評価だけではなく様々な批判にもさらされ、不名誉にも人々はカサ・ミラに対し「ラ・ペドレラ(石切場)」というあだ名をつけました。
ガウディは建設の過程で徐々にミラ夫妻と意見が合わなくなり、途中で作業を下りました。
しかし、その後は彼の一番弟子、ジュジョールが引き継ぎ、見事に完成させました。
当時のバルセロナでは受け入れ難い建物と見なされていましたが、現在ではバルセロナのシンボルの一つとして人気があり、高い芸術性が評価されています。
カサ・ミラでは、最上階の博物館部分と屋上部分が見学可能です。
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