ヴィスカヤ橋(世界遺産登録:2006年)
バスク地方最大の町ビルバオには、とても珍しい橋があります。
ヴィスカヤ橋という吊り橋で、6台の車と約300人の人を一度に運ぶことができるゴンドラを吊るしています。
この吊り橋は世界最古の運搬橋で、優れた鉄鋼技術の象徴として2006年に世界遺産に登録されました。
ヴィスカヤ橋は、バスク人建築家、アルベルト・デ・パラシオにより造られ、1893年に完成・開通しました。
イバイサバル川の両岸を長さ160m、水面からの高さ45mの橋で渡していて、ゴンドラをワイヤーで運んでいます。
橋が完成する頃のヴィスカヤは、鉄鋼の町として非常に栄えていました。
そして、工場の数が増加すると人口も増え、川を往来する住人の足になるものが必要になったのです。
橋の完成前は両岸を渡し船が結んでいましたが、もはやそれだけでは人の運搬が間に合わなくなりました。
かといって、大規模な橋をかけると、川を行く船の交通を阻害することになるので、それではビルバオの経済に打撃を与えてしまいます。
吊り橋という解決案で、従来からの船の往来も可能になり、またより多くの人々を運搬できるようになったのです。
ゴンドラは4分おきに運行され、ゴンドラの往来の合間を縫うようにして川を船が行き交います。
その姿はビルバオでしか見られない大変貴重なものです。
現在、ヴィスカヤ橋のゴンドラは住人の貴重な交通手段として毎日運行しています。
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