コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群

コア渓谷とシエガ・ベルデの岩絵遺跡群は、ポルトガルとスペインで共有する世界遺産です。

この岩絵遺跡群は、イベリア半島北部、ポルトガルのドウロ川上流域からスペインのカスティーリャ・イ・レオン州シエガ・ベルデの一帯にあります。

最初に発見されたのは1980年代後半で、コア渓谷では約5,000点、シエガ・ベルデ周辺では約440点もの線刻画が発見されました。

それらは、主に旧石器時代に描かれたものと言われています。

1995年には考古学者の特別チームがこれらの線刻画の研究に携わるようになり、観光客を受け入れるために幾つかの公園を整備しました。

しかし、線刻画発見から世界遺産登録までに実は大きな問題がありました。

当時、コア渓谷周辺にダム建設の計画があり、もし計画が実行されれば、線刻画群が水面下に沈むことになったのです。

そして、ダム建設反対運動が巻き起こり、結局、建設は見送られました。

その後1998年に、「コア渓谷の岩絵遺跡群」として初めて世界遺産に登録されました。

隣接する地域のスペインの線刻画群は、2010年に追加で世界遺産に登録されています。

コア渓谷とシエガ・ベルデの岩絵群は、馬や牛などの動物、人物などが細かく描かれています。

その大きさは様々で、15cm～180cmになるものもあります。

これらの岩絵群が描かれた具体的な時期や手法などについては、現在でも研究が続けられています。
（世界遺産登録：1998年、拡大：2010年）

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