トラムンタナ山脈の文化的景観(世界遺産登録:2011年)
トラムンタナ山脈は、バイアレス諸島最大の島、マヨルカ島にあります。
古くから農民が知恵を使って良質な農地を開拓した功績と歴史ある機能的に作られた農地の景観が後世に残すに値するものとして、近年世界遺産に登録されました。
山脈はマヨルカ島の1/3の面積を占めていて、現在は種々の良質な農作物が収穫されています。
しかし、元々は切り立った岩山で、農地に向いた土質ではありませんでした。
その岩山に、農民たちが切り石を積んで棚田を築き、そこをうまく通る用水路を構築したことで農地全体に水が行きわたるようになり、農作物の収穫が望める農地に変貌を遂げたのです。
現在では、オリーブ、ブドウやオレンジ、野菜などが収穫できる牧歌的農村の風景をもつ地域になりました。
マヨルカ島は年間300日以上晴天に恵まれる、「地中海の楽園」と呼ばれるところです。
何よりも島全体の景観が素晴らしく、歴史的建物も多く、元から多くの見所があるところでした。
そして、トラムンタナ山脈の景観が世界遺産に登録されたことで、マヨルカ島の観光地としての格はより一層上がったことでしょう。
山脈には、ソーイェル鉄道という、ゆっくり時間をかけて山脈の光景を楽しめる登山鉄道があります。
近年、レコンキスタによりイベリア半島を追われたイスラム教徒たちが築いた遺跡も山中から多く発見されており、それらの見学も併せて鉄道での旅も楽しめるところです。
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