ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ(世界遺産登録:1996年)
スペインで第三の規模を誇る大都市・バレンシアはオレンジで有名なところで、日本でもその地名を聞いたことのある方は多いと思います。
ここは地中海に面した湾岸都市で、15世紀~16世紀には絹の交易で栄えました。
そして、絹の取引に使われた建物「ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ」(通称=ロンハ)は、1996年に世界遺産に登録されています。
ロンハが建設されたのは1482年~1533年のことです。
そして、後にフランボワイヤン様式(後期フランスのゴシック様式のこと)の傑作といわれるようになりました。
そのわりには、外観がとても地味な印象で、個性的で多様なスペイン建築の中でも、かなり質素な造りといえるでしょう。
しかし、中世バレンシアの円滑な交易を支えた場所として、歴史的に非常に重要なところです。
派手でわかりやすい個性はないように見えますが、正面玄関を入ってすぐの広間には、椰子林を模したようなユニークな空間が広がっています。
ここは、細いらせん状の柱を天井に向かって幾つも伸ばして全体を支えていますが、その柱が椰子の木を彷彿させ、天井の細かいアーチ型は、椰子の葉や実を彷彿させます。
地中海に面した土地ならではのユニークなデザインでひと目を引くところです。
ロンハは、19世紀まで交易所として使われていましたが、現在はコンサートや展示会などの催物が開かれる場所になっています。
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