エルチェの椰子園(世界遺産登録:2000年)
エルチェの椰子園は、ヴァレンシア州アリカンテ県エルチェにあるヨーロッパ最大級の椰子園で、規模は200万m2、地中海の明るい雰囲気を演出する椰子の木々が20万本も生い茂っています。
エルチェに椰子園が築かれたのは8世紀頃のことです。
この頃イベリア半島はアラブ人に支配されていましたが、北アフリカのアラブ人たちがアラブ式の農法を取り入れ、ナツメヤシを育成しました。
エルチェは農地としては貧困でしたが、椰子園が築かれ、アラブ式農法により見事な灌漑施設が造られたお陰でその後、農作物に恵まれるようになりました。
1264年、レコンキスタでハイメ1世が即位しましたが、その時に椰子園は国の保護下に入りました。
以来、ヴァレンシア州の農作物収穫の中心的な存在になり、現在に至ります。
椰子園が演出する南国の景観は清々しく、人々の心を明るくしてくれます。
エルチェにはこのほかに、無形文化遺産に登録されている「エルチェの神秘劇」があり、椰子園を世界遺産に申請した当初、椰子園と神秘劇をセットにして申請が行われました。
そして、2000年に椰子園は世界文化遺産として、2001年には無形文化遺産として登録されました。
エルチェの神秘劇とは、聖母マリアが昇天する物語を上演する劇で、エルチェ市民によって上演されています。
物語には椰子の木も登場し、エルチェ独自の観劇として人々に愛されています。
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