オビエドとアストゥリアス王国の建造物群
スペイン最北端、アストゥリアス州は「スペインの原点」と呼ばれるところで、イスラム勢力に征服されるイベリア半島の中で唯一、その支配を免れた地域です。
イスラム勢力に追われ、イベリア半島各地からキリスト教徒がアストゥリアスに逃げ込んできました。
オビエドは、州のその当時の州都です。
オビエド周辺地域は、711年にイスラム勢力に征服されながらも、僅か10年でキリスト教徒が奪還し、西ゴート王国のペラーヨがアストゥリアス王国を建国しました。
そして、アストゥリアスでレコンキスタが生まれ、実に800年にも及ぶ戦いが始まりました。
レコンキスタにより、イベリア半島ではキリスト教徒が徐々に国土を回復し、1492年にイザベル1世によりスペイン王国が建国されました。
オビエドでは、イスラム教徒の侵略を受けなかったことから、8世紀~10世紀の建築物が数多く残されました。
その中の、サン・ミゲル・デ・リヨ教会、サンタマリア・デル・ナランコ教会、サンタ・クリスティナ・デ・レナ教会の3ヶ所が、1985年に世界遺産に登録されました。
その後、登録地域は拡張され、現在では6箇所のキリスト教建築が登録されています。
アストゥリアス王国の建造物群では、ロマネスク様式の先駆けとなったプレ・ロマネスク様式の建築物を見ることができます。
スペインの歴史を辿る時、真っ先に訪れたいところです。
世界遺産登録:1985年、拡大:1998年
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