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水銀の遺産アルマデンとイドリヤ(世界遺産登録:2012年)

スペインのアルマデンとスロベニアのイドリヤにある中世から近世に築かれた水銀生産関連施設及び街並みは、2012年に一つにまとめられ、世界遺産に登録されました。

スペインとスロベニアは国境を接していない越境の国同士で、このような形で世界遺産に登録されることは大変珍しいことです。

水銀生産に関してアルマデンとイドリヤでは共通の歴史を持ったことなどが、この世界遺産登録に繋がったのでしょう。

アルマデンとイドリヤで採れる水銀は、中世から近世にかけての数世紀にわたり、ラテンアメリカ産の銀を精錬するのに欠かせない存在でした。

そのため、ラテンアメリカとアルマデン、イドリヤでは銀と水銀の交易が盛んになり、そのことでそれぞれの国の産業が目覚ましく発展したのです。

これらに関連する施設や産業を支えた町の光景は、産業遺産として後世に残すに値すると評価されました。

アルマデンは、カスティリャ=ラ・マンチャ州シウダ・レアル県にある鉱山の町で、最近までここで銀の生産が行われていました。

その中で、世界遺産に登録されている範囲は、旧市街地、ミナ・デル・カスティリョの建造物群などの5箇所、合計50haにもおよぶ地域です。

イドリヤは、プリモルスカ地方にある鉱山の町で、旧市街地、精錬所など7箇所が世界遺産に登録されていて、中世における繁栄の歴史を今に伝えています。

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