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アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区(世界遺産登録:1998年)

スペインの首都マドリードから約30kmのところにあるアルカラ・デ・エナレスという町は、由緒正しい学術都市です。

学校を中心にした町づくりの歴史が評価され、世界遺産に登録されました。

古代ローマの時代、ローマ人たちがアルカラの地に町を造ったことが、町の歴史の始まりです。

1298年にはスペインで2番目に古い大学、スタディアム・ジェネラーレが建設され、これが後にアルカラ・デ・エナレス大学の前身になります。

1498年に国内で最も名高いアルカラ大学の校舎が建てられたのを皮きりに、アルカラは学術都市として整備されていきました。

1517年にはラテン語・ギリシャ語・ヘブライ語などの数カ国語で対訳聖書が発行されましたが、アルカラは語学教育や宗教学、印刷技術の分野においてイベリア半島の最先端を行く都市になりました。

アルカラは、かの有名な「ドン・キホーテ」の作者、セルバンテス故郷でもあります。

学術都市として発展したものの、1836年には町の財政難により大学機能がマドリードに移転することになりました。

それでも市民が共同所有組合を作り、大学となっていた建物を買い取りました。

1977年には大学が復活し、古くからある建物がそのまま利用されています。

市民が歴史ある街並みの保存に尽力したアルカラでは、現在でも中世の学術都市の光景がそのまま見られます。

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